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ヤマハが水素エンジンを公開

内燃機関存続への挑戦

2021年12月、ヤマハは自動車用のV8気筒水素エンジンを初めて世界に向けて公開しました。
このエンジンは2018年にトヨタから依頼を受けて開発製造されたもので、もともとトヨタ車のレクサスやRC-Fに搭載されていた5リッターのV8ガソリンエンジンをベースに改良開発したものです。
この水素エンジンは、最高出力335kwを誇り、最大トルクは540Nmとかなりのハイスペックなエンジンとなっています。

従来のエンジンから水素エンジンへの改良過程においては、ガソリンエンジンに搭載されていたパーツをそのまま流用したものもあります。
例えば燃料パイプやシリンダーヘッド、インジェクターやチェーンカバー、そしてサージタンクなどのメインブロック部分ではガソリンエンジンと共通のパーツをそのまま使っている点が特徴です。

国内他メーカーも協力してタッグが実現

今後の水素エンジン開発においては、ヤマハだけでなく、カワサキやホンダと国産バイクメーカー4社が協力してタッグを組みながら共同開発する方向となっています。
もともと自動車向けの水素エンジン開発においてはヤマハが先導していましたが、スーパー耐久性のある水素エンジンが競技レベルに達しました。
これをきっかけにして、バイク向けの水素エンジン開発もしたいと考えたのです。
そんな時トヨタとカワサキが連携してバイク用水素エンジンの検討を始めたことから、それならバイクメーカー4社が協力して開発しようという話となりました。

2022年1月時点においては、まだ4社間で具体的な取り組みやスケジュールは決定していません。
しかし、すでに共同開発に関して合意には至っており、今後は技術者が知見を交換しながら開発準備が進められていきます。

水素エンジンのメリットと課題とは?

水素エンジンは、タンクサイズのコンパクト化という点で大きな課題があります。
すでに開発されているスーパー耐久レース用のものは180リットルの水素エンジンタンクを搭載していますが、1度充填して走行できる距離はわずか60km程度しかありません。
バイクの場合、積載できるスペースに限界があるため実用化することは決して簡単ではないのです。

しかし、水素エンジンが実用化されれば大きなメリットが期待できます。
例えば、ガソリンに頼らないエコな燃料を普及できるという点が挙げられるでしょう。
Co2の排気量という点ても、メリットが期待できます。
バイクの軽量化という点においても、水素エンジンの実用化は大きく貢献してくれることでしょう。

車両の動力には、現在ガソリンの他に電動や水素、合成燃料などいくつかの選択肢があります。
もしかしたら、将来バイクを購入する際に燃料タイプをユーザーが選択できる日がやってくるかもしれません。

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